オフィスで仕事をしている最中に、地震や大雨、台風などの災害が起きたらどうしますか。自宅には防災用品があっても、職場の机やロッカーには何もないという方も少なくないんです。
災害直後は、すぐに帰宅できるとは限りません。むしろ安全を確保するため、会社にとどまったり、状況を見ながら徒歩で移動したりする場面も考えられます。そこで今回は、オフィスで個人が備えておきたい防災グッズを10個に絞って紹介します。
会社の備蓄品と自分用の備えは、役割が少し違います。まずは勤務先の備蓄を確認し、そのうえで自分に必要なものを無理なく足していきましょう。
オフィス用防災グッズを準備する前の基礎知識
会社の備蓄品と個人用セットは別に考える
企業によっては、水や非常食、毛布、ヘルメット、簡易トイレなどを備蓄しています。とはいえ、全員に十分行き渡るとは限りませんし、必要な場所にすぐ取りに行けない可能性もあります。
まず総務や管理部門に、何がどれくらい用意されているのかを確認してみてください。そのうえで、自分の体質や服装、通勤経路、家庭の事情に合うものを個人で備えるのが現実的です。
想定するのは「とどまる」と「帰宅する」の2パターン
大きな災害の直後は、道路の混雑や余震、火災などで移動が危険になることがあります。安全な場所が確保されているなら、むやみに帰宅せず、社内で待機する判断も大切です。
一方で、状況が落ち着いて徒歩で移動することもあるでしょう。オフィス用の防災セットは、社内滞在用と徒歩帰宅用の両方を意識すると、使い道がはっきりします。
収納場所は「思い出せる場所」がいちばん
防災グッズは、持っているだけでは役に立ちません。停電や混乱のなかでも取り出せるよう、デスクの引き出し、ロッカーの手前、防災バッグの中など、場所を固定しておきましょう。
定期的に中身を確認することも忘れずに。電池の液漏れ、食品の期限切れ、モバイルバッテリーの残量などは、数か月に一度チェックすると安心ですよ。
オフィスで個人が備える防災グッズ10選【前半】
1〜5:命を守り、情報と体力を確保するもの
- 飲料水:会社の備蓄とは別に、500ml程度のペットボトルを数本用意します。水は一般的に1人1日3Lが目安とされますが、個人用は不足分を補う考え方でよいでしょう。
- 非常食・補助食品:アルファ米、缶入りパン、栄養補助食品、ようかん、飴などがおすすめです。調理不要で、食べ慣れているものを選ぶと負担が少なくなります。
- モバイルバッテリー:スマートフォンは連絡、情報収集、地図の確認に使います。容量だけでなく、充電ケーブルの種類や、普段から充電を維持できるかも確認しましょう。
- ライト:停電したオフィスでは、足元や階段の確認に明かりが必要です。置いて使えるランタン型や、両手を空けられるヘッドライトも便利です。
- 携帯ラジオ:通信が混雑したときでも、ラジオから地域の情報を得られる場合があります。手回し充電や乾電池式など、電源が切れても使えるタイプを選びましょう。
収納しやすさと使いやすさを両立する
デスクやロッカーが狭いなら、すべてを大容量で揃える必要はありません。小型の水、個包装の食品、薄型ライトなど、収納性を優先して組み合わせる方法があります。
ただし、コンパクトさだけで選ぶのは少し危険です。ライトの明るさ、バッテリーの接続、食品の食べやすさなどは、購入後に一度試しておきたいところです。
オフィスで個人が備える防災グッズ10選【後半】
6〜10:衛生・防寒・移動を支えるもの
- 簡易トイレ:断水やトイレの混雑に備えます。凝固剤付きで、使用後に密閉できるものを選ぶと扱いやすいでしょう。
- ウェットティッシュ・マスク:手洗いができない場面や、ほこりの多い場所で役立ちます。アルコールタイプだけでなく、顔や体にも使えるノンアルコールタイプがあると便利です。
- 救急セット:ばんそうこう、消毒用品、手袋などを小さくまとめます。持病の薬がある場合は、必要な分をどう管理するかも事前に考えておきましょう。
- ブランケット・防寒具:空調が止まった社内や、床で休む場面に役立ちます。薄いアルミブランケットや、普段も使えるひざ掛けなら保管しやすいですね。
- 歩きやすい靴と雨具:革靴やヒールで長距離を歩くのは大きな負担です。スニーカーやレインコートを置いておくと、徒歩帰宅時の安心感が違います。
衛生用品は自分の生活に合わせて足す
歯ブラシ、汗拭きシート、ティッシュ、着替え、下着、生理用品、メイク落としなども、社内にとどまるなら重宝します。特に普段使っているものは、代用品が見つからないこともあります。
小さなポーチにまとめておけば、必要なときに取り出しやすく、周囲を気にせず使えます。衛生用品は「なくても何とかなる」と思いがちですが、数日過ごすことを考えると優先度は高めです。
ヘルメットや防災手袋は会社の備蓄を確認
落下物から頭を守るヘルメットや、ガラス片などから手を守る防災手袋は、会社全体で用意されていることがあります。個人で買う前に、保管場所と配布方法を確認しておきましょう。
もし自分で準備するなら、折りたたみ式や軽量タイプが候補になります。サイズが合うか、素早く装着できるかを確認することも大切です。
失敗しにくいオフィス防災セットの作り方
ステップ1:勤務先の備蓄と通勤環境を確認する
最初に、会社の水や食料、ライト、毛布、ヘルメット、簡易トイレの有無を調べます。次に、自宅までの距離、川や崖の有無、徒歩で移動する場合のルートを確認しましょう。
保育園や学校へのお迎えが必要な方は、災害時の連絡方法や引き渡しルールも家族と共有しておきたいものです。防災グッズだけでなく、行動の約束も備えの一部なんです。
ステップ2:用途ごとに袋を分ける
防災用品をひとつの袋に詰め込むより、「すぐ使うもの」「社内滞在用」「徒歩帰宅用」に分けると便利です。ライトやモバイルバッテリーは手前、着替えやブランケットは奥というように、取り出す順番も意識します。
徒歩帰宅用には、靴、雨具、ホイッスル、防犯ブザー、帰宅支援マップなどを加えてもよいでしょう。防災グッズを持っていても、危険を感じたら無理に帰らないことが前提です。
ステップ3:年2回を目安に点検する
食品の期限、電池、充電状態、衣類のサイズ、薬や衛生用品の使用期限を確認します。季節が変わるタイミングで、防寒具と雨具を入れ替えるのもおすすめです。
点検のついでに、ライトを暗い場所で使ったり、携帯ラジオの受信状態を確認したりしましょう。いざというときに「使い方がわからない」とならないことが重要です。
オフィスの防災グッズに関するよくある質問
Q1. 水や食料は個人で3日分用意すべきですか?
会社が3日分を備蓄しているなら、個人で同じ量を揃える必要はありません。ただし、配布まで時間がかかる場合や、食物アレルギー、服薬、食べられない食品がある場合に備えて、自分用を少し用意すると安心です。
Q2. 防災バッグはデスクとロッカーのどちらに置くべきですか?
すぐ使うライトや水はデスクの取り出しやすい場所、着替えやブランケットはロッカーなど、分散して置く方法があります。倒れた棚や通路を通らないと取り出せない場所は避けてください。
Q3. 災害が起きたらすぐ帰宅したほうがよいですか?
必ずしもそうとは限りません。交通機関の停止、道路の混雑、余震、火災などが考えられるため、会社や自治体の情報を確認し、安全が確保できるまで待機する判断も必要です。
まとめ
オフィスで個人が備える防災グッズは、水、非常食、モバイルバッテリー、ライト、ラジオ、簡易トイレ、衛生用品、防寒具、救急セット、歩きやすい靴と雨具が基本です。とはいえ、会社の備蓄状況や通勤距離によって、必要なものは変わります。
まずは手元にあるバッグへ、ライトと水、モバイルバッテリー、携帯トイレを入れるところから始めてみてください。小さく整えておくことが、突然の災害で落ち着いて行動する力につながりますよ。
