鳥取県 企業BCP支援サイト トリB
災害対応シミュレーション
【事業継続対応編】
社員からは工場内での作業を実施することについて、特に意見は出ておらず、業務部長もおそらく工場の建物が倒れるようなことは無いだろうと言っていますが、このまま工場内で調査や点検を進めてもよいでしょうか。
このような中であなたはどのように判断しますか。
① 社員の安全が少しでも確保できるよう、単独での行動を避け、必ず2人以上で組をつくり、工場内で点検を継続する。
② 余震が収まるまでは工場内での点検や復旧作業を停止する
③ 社員からは特に意見も出ないため、そのまま復旧作業を続ける
現時点でこれらの選択肢の中で適当と思われるのは、①の
「社員の安全が少しでも確保できるよう、単独での行動を避け、必ず2人以上で組をつくり、工場内で点検を継続する。」
となります
解 説
過去の例では、地震によって被災した建物内に居続けてもよいかどうか迷う場面がよく見られているため、それを考えていただく質問でした。
今回の場合は、A社から納品関連の電話もあり、一日も早い復旧が必要となっています。そのために、加工機や検査機等の製造機器の確認と復旧作業が急がれるため、状況把握が早くできることが望ましいです。しかし、同時に社員の安全も重要となります。
この例では建物の被害状況に関する情報は十分提供されていませんでしたが、建物には一見して大きな被害が無いようでしたので、調査を続けることはできそうです。ただし、万一に備えて、工場内で点検等を行う場合は、万が一に備えて単独で行動しないようにすることが適切と考えられます。
地震後に継続して建物利用ができるかどうかを判断するための事前準備として、こちらの資料(内閣府「大規模地震発生直後における施設管理者等による建物の緊急点検に係る指針」平成27年2月)が参考となります。地震が発生した場合に確認するポイントなどをあらかじめ確認しておくようにしておきましょう。