簡易BCPをつくる

解説1:「重要業務」とは

BCPでは、非常時においても止めない、あるいは早期に再開すべき業務を定めます。

その業務のことを重要業務といいます。

事業中断するような非常事態が発生した場合は、すべての事業再開を進めるのではなく、事業に優先度をつけ、最も重要な事業から再開を進めます。

この重要業務を事前に決定しておくことは事業継続の備えとして非常に重要となります。

 

組織内で複数の事業を行っている場合は、以下のような観点で事業中断による影響を評価した上で、重要業務を選定していきます。

 

【事業中断による影響評価の観点の例】

 ・売上、利益、マーケットシェアへの影響

 ・資金繰りへの影響

 ・顧客の事業継続への影響や顧客との取引維持の可能性への影響

 ・従業員の雇用や福祉への影響

 ・法令や条例、契約、サービスレベルアグリーメント等に違反した場合の影響

 ・自社の社会的信用への影響

 ・社会的機能維持等の社会的、地域的な影響

※内閣府「事業継続ガイドライン(令和3年4月)3.1.1 事業中断による影響度の評価」から引用

 

このような観点から事業を評価し、早く復旧する必要がある業務重要業務として設定します。

 

※なお、鳥取県が提示する各種BCPモデルでは上記の重要業務を「中核事業」と表現しています。

 重要業務は、中核事業を構成する業務プロセスの中で特に早く復旧が必要となるプロセスのことを表しています。